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スクリューレスキューとは?
久々の昭和のビンテージストラトリペア続編です。
いよいよ、待ちに待ったスチュアート・マクドナルド(StewMac)から「スクリューレスキュー」という工具が届きました。
古いギターの場合、ネジがボディの中で錆びることがあります。
ネジが錆びてしまうと、ネジ自体の大きさが大きくなったり、錆で摩擦抵抗が大きくなったり、錆の成分が木に浸透するなどの変化が起こります。
すると、ネジが回らなくなって外れにくくなったり、最悪の場合はブログに書いたように、ネジがねじ切れて頭の部分だけが外れて、そこから下はボディの中に残ったままという結果になってしまいます。
こうなると、ネジだけを取り外す術はありません。
ネジ周辺の木材ごと抉り取って、空いた穴に埋め木をしてネジ穴を切りなおすか、何事もなかったかのように、ネジを取り出すのをあきらめるかの二者択一となります。
今回は、ブリッジ部分を固定するネジなので取り付け位置を換えるわけにいきませんから、抉って埋め木をすることにしました。
そこで必要となったのが、この「スクリューレスキュー」です。
工具と工程
スクリューレスキューキットは、ドリルの刃が3本とガイドプレートが1枚と言うシンプルな構成です。
その工程を付属の取説のイラストを参考にご紹介します。
1.ネジが切れてボディに残骸が残ってしまいました。
2.①のドリル刃を使って、残骸を周辺の木材ごと抉りとります。
3.残骸が抜けました。
4.別の板を用意して②のドリル刃を使って埋め木ようの木片を作ります。
5.繰りぬいた棒状の埋め木をボディ(ネジごと抉った穴)に埋め込みます。
6.新規のネジ穴を切りネジを締めて完了です。
実施にやってみた
まず、どの穴にネジが残っているのか目印を付けました。
ネジを抉り出すドリル刃はコレです。
パイプ状になっており、中の空洞部分にネジを木材ごと切り出す構造です。
ガイドプレート(保護シートを剥がすと透明でした)を旧ネジ穴の中央にセットします。
ずれないようにテープで固定して、ドリル刃をセットします。
ドリルを回転させ、大体このくらいかな?と思うところで、一旦、ドリル刃を抜きます。
まだ、ネジの残骸が見えますね。
周囲の木片ごと抉っても、中のネジも一緒に回ったようで、木片と一緒にねじ切れています。
これでは、ドライバーで抜けるわけがありません。
何回か繰り返して、やっと抜けました。
抜けた残骸は、ネジ穴とボディの木材が錆で癒着状態です。
3か所とも、同様にほじくり出しました。
お次は穴埋め材を作ります。
②のドリル刃に付け替えて、端材を繰りぬきます。
手頃な木材が無かったので、現在、製作中のネック材(マホガニー)の端っこをいただくことにしました。
こんな感じで、スッポリと抜けました。
ガッツリとハマっているので、ドリル刃から埋め木材を取り出すのに苦労しました。
穴部分に埋め木を差し込みます。
ちょっと隙間があるように見えますが、実際にはジャストなサイズです。
3か所とも埋めました。
タイトボンドを塗り、プラスチックハンマーで数回たたいたら、埋め木が折れてしまいました。
ボンドが乾くまで、作業中断です。