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ハンダは接着剤ではない
私がハンダゴテを使った実習で良く見かける光景です。
接合部分にハンダを盛りつけていたり、コテで溶かしたハンダを塗っているのです。
出来上がったものは、接合部分のハンダがモリモリしていたり、仁丹のような球が乗っかっているものもあります。
このようなハンダ付部分は、コードを持ってコネクターを数回振るだけで、簡単に外れてしまいます。
これは、明らかに加熱不足です。
このようなハンダ付をする学生は、ハンダを粘土や接着剤と勘違いしているのだと思います。
そのような接合部分に、もう一度ハンダゴテをしっかり当てて、ハンダがスルッと溶ける様子を見せてあげると、学生から「おおーっ!」と歓声が上がります。
次に良く見るのは、接合部分のハンダが白っぽく灰のような色をしている光景です。
ひどいハンダになると、指でつまんでグイグイとやるだけで、グズっと崩れて割れたり外れてしまうことがあります。こて先
コチラの場合は、加熱のしすぎです。
コテの温度が高いか、長時間コテをあてていたために起こる現象です。
こうなると、くすんだハンダを吸い出して、新たにハンダ付する必要があります。
ハンダ付は溶接ではないので、ハンダが劣化するまで加熱しすぎるのも禁物なのです。
いずれの失敗も、教科書で教われるようなものではありません。
実際に自分でやらかしてみないと身に付かないものなのです。
ですから、いきなり自作エフェクターにトライして基本的な部分で失敗しないように、簡単なものから始めていきたいと思います。
ハンダ付の基本
ハンダ付けの基本は『約250℃のコテでハンダを3秒間溶かす』ということだけなのです。
3秒間という時間は時計を見れば見当はつきますが、約250℃という温度調整は、なかなか難しいものがあります。
そこで、頼りになるのが、昨日もご紹介した「温度調整機能付きハンダゴテ」なのです。
温度調整機能で340~360℃に設定しておけば、コテ先は丁度良い温度に保つことができます。
実は、私も、温度調整機能がついたハンダゴテの存在は知っていたのですが、最近まで使ったことがありませんでした。
それまで、秋葉原で買った2,000円程度の40Wを使っていたのですが、数時間もハンダ付を行っていると、コテ先を濡れスポンジで拭いても、すぐに温度があがってしまうので、100均で買ったスイッチ付のコンセントでこまめにON/OFFを繰り返していました。
ハンダ付歴数十年のキャリアをもってしても、温度管理は面倒くさい作業でした。
今回、この記事を書くにあたって、「人様に紹介するのだから、ちゃんとした物をお勧めしよう」と思い、新たにamazonでポチりました。
コテ先の色に注意!!
温度管理と同じように重要なことに、コテ先の掃除があります。
コテ先がキレイな銀色をしていればハンダもキレイに溶けてくれますが、黒っぽくなっていたり茶色くくすんでいるとゴミが付着しているので、溶けたハンダがコロコロと転がって上手く処理することができません。
その場合、水に浸したスポンジか雑巾などでコテ先を拭いてあげる(というよりは、コテ先を擦りつけて汚れを落とす)ことで、キレイな銀色が復活します。
但し、水を付けたものでコテ先の汚れを拭き取るわけですから、ジューっという音とともにコテ先の温度も下がってしまいます。
コテ先の温度をキープしたいのなら、こんなものもあります。
コテ先に銀色が戻れば、そのまま作業を継続できますが、拭いても銀色が復活しなくなってきたら、コテ先を交換するタイミングです。
コテ先は消耗品なので、常に何本かストックがあると安心ですよ。
次回は、いよいよ「シールド作り」に挑戦したいと思います。