昨日のブログでマイクについて書きましたが、今日はその続編です。
Contents
1万円前後のコンデンサーマイクはオモチャ?
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクを比較した場合、プロが使うレベルのマイクに限って言えば、コンデンサーマイクの方が音が良い(周波数などの数値データーにおいて)のは事実です。
近年、安価なコンデンサーマイクが販売されていますが、音質的にどうなのでしょうか?
カタログデーターを見る限りは、人間の可聴範囲(20Hz~20,000Hz)をクリアしているので問題ないと思われますが、それはあくまで「音響特性」の話で、そのマイクが拾う音質(この場合は音色と言う意味です)が好きか嫌いかは別問題です。
例えば、高音ばかり拾って低音が少ないマイクだとシンバル系には向いていますが、ボーカル系には不向きということです。
私の経験では、安いコンデンサーマイクだと、そのような印象が強いのです。
又、プロ用の機器は性能も大切ですが、頑丈に作られていることが大事なのです。
安価なマイクは、その面でも不安が残ります。
少なくとも、プロの現場で1万円程度のコンデンサーマイクは見たことがありません。
間違えやすい【エレクトレットコンデンサーマイク】とは?
コンデンサーマイクの中でも気を付けなければいけないのが、「エレクトレットコンデンサーマイク」です。
このマイクは、パソコン用品として販売されている低価格なヘッドセット(テレフォンオペレーターなどが使用しているヘッドフォンとマイクが一体になった通話機器)に使用される電子部品で、秋葉原の電気街やパソコンパーツショップで数百円程度で買う事が出来るものです。
コンデンサーマイクとは名ばかりで数百円程度の音しかしませんから、レコーディングなどの音響目的には不向きです。
ダイナミックマイクは1万円程度でプロレベル
プロが使うダイナミックマイクの代表的なものにはSHURE(シュアー)やSENNHEISER(ゼンハイザー)などの海外製などがあります。
具体的なマイクと使用方法、価格は以下のようになります。
【SHURE SM57】楽器全般
【SHURE SM57】楽器全般
【SHURE BETA57A】楽器全般
【SHURE SM58】ライブのヴォーカル
【SHURE BETA58A】ライブのヴォーカル
【SENNHEISER MD421】バスドラムやタム、パーカッション、SAX
SMシリーズとBETAシリーズを比較すると、BETAの方が高音域がクリアな印象です。
SM58やBETA58Aの用途をライブに限定しているのは、レコーディングで使用するヴォーカルマイクではないからです。
レコーディングではAKGのC414やNEUMANN(ノイマン)のU87などのコンデンサーマイクが使用されるからです。
SM58やBETA58は丸いマイクの先端部分に口を付けて歌ってもマイクが吹かないように丸い部分の内側にスポンジを貼り付けています。
しかし、SM57やBETA57には、その加工がなされていないので、ヴォーカルには不向きですから御注意下さい。
SENNHEISERのMD421は比較的「キンキン」した中音域に特徴がある音質です。
この音がドラムのアタック音やSAXの輪郭部分を強調するのに好都合なので、打楽器や管楽器に使用されることが多いマイクです。
しかし、ドラムのスネアに使用すると、スナッピー(裏に張ってあるバネ)の音が耳障りになるので、スネアやシンバルに使うエンジニアは皆無です。
自宅で使うのなら、ダイナミックマイクがお勧め!!
いかがでしたでしょうか?
昨日、今日と2日に渡って、アマチュアの人が陥りやすい「ダイナミックマイクよりもコンデンサーマイクの方が音が良い」という都市伝説(?)について反論してみました。
最近のコンデンサーマイクは安価で良い物が販売されてきていますが、それでもプロの現場に普及しないのは耐久性や安定性に欠けるからだと思います。
特にB社の製品は、たまに現場で見かけることがありますが、当たり外れが大きく、外れをひくとノイズだらけで使い物になりません。
アマチュアの人は、価格とカタログデーターに注目しますが、肝心なことは「出音(でおと)」であることを忘れてはいけません。