ギター

【昭和のアコギ】年末に捨てられていた楽器をメンテしてみたら!?

大掃除で捨てられていたギター

年末にツキモノなのが大掃除!
どこの家でも断捨離の時期ですね。
昨年末に、空(くう:愛犬)の散歩をしていたところ、燃えるごみの日に古いギターが捨てられていました。
このまま放っておくと燃やされてしまう!!
そう思った旦那ぽんは、有無をも言わずに救出しました。

ギターは持ち主の生活を語る?

帰宅後にギターを観察すると、どのような生活環境に置かれていたのかが想像されます。
まず、弦がサビサビなことやネックの付け根にホコリが溜まっていたことから、長いこと弾かずに放置されていたことがわかります。
しかし、汚れが少ないので、物置ではなく室内に置かれていたのでしょう。
このギターを捨てた人(もはや持ち主とは呼びたくありません)は、ギター初心者で、一応、コードを覚えてギターを弾けるようになろうとしたようで、指板に目印と思われる丸いシールが貼ってありました。

だんなぽん
だんなぽん
何のコードを覚えようとしたのか?
AmとFとCでしょうか

とりあえず、私には不要なので、弦を外してシールを剥がします。

コンディションを確認

メーカーは、ボディ内部に貼られているラベルから、河合楽器(カワイ)であると確認できました。
型番が「M-38」と書かれています。

製造年の記載がありませんが、このようなクラッシックギターのようなシェイプに鉄弦を張るギターの代表格にYAMAHAのダイナミックギターがあります。
YAMAHAのHPには約50年前に製造していたと記載されていますので、このギターもその頃のものだと推測できます。
ちなみに、当時の楽器は、型番に100か1000を掛けた数字が定価という設定が多かったので、この楽器は合板であることから、当時3,800円で販売されていたと思われます。
さて、現段階のコンディションですが、トップ板に何か所かヒビがあります。
しかし、中指でコンコンとノックをしてみても濁った音がしませんから、表面だけがひび割れていると考えられます。

だんなぽん
だんなぽん
さすが、合板!
強いです!!

ネックの反りもほとんど無さそうなので、ちょっとメンテをすれば使えそうです。

治療

まず、レモンオイルで指板を磨きながら、ボディ全体を乾拭きして汚れを落とします。
レモンオイルは、本当にレモンの香りがするので好きなのですが、嫁にんはイヤなようです。

よめにん
よめにん
臭いんじゃ!!

と言われたので、2階へ移動します。

次に、ペグが固いので、油をさします。

ペグを回して油を馴染ませながら、新しい弦を張ることにします。
この時期のギターは、トラストロッドと呼ばれるネックを矯正する鉄の棒が埋め込まれていないものが多いので、ネックが反らないようにテンションが弱いエキストラライトゲージを張りました。

思ったよりも重症

弦を張ってチューニングをしたのですが、超弾きにくい!
ギター歴数十年の私が弾いても、ギターを弾くのがイヤになるほど弾きにくいです。
この楽器を初心者が手にしても、弾けるようになるわけがありません。
ギター初心者は自分の楽器が弾きにくいかどうかなんて判断できませんから、このような楽器で練習しても上達しないのは自分に才能がないのだと勘違いしてしまっても仕方がありませんね。

この楽器の重傷なポイントは、弦高です。
指板の終了部分で5ミリ以上あります。

更にナットは、中央が凹んで「逆への字」になっています。

又、極度のフレット音痴?
解放弦でAにチューニングしても、3フレットでCに合いません。
5フレットを押さえてDにチューニングしても、3フレットでCに合いません。
これでは、楽器としての機能を果たしていません。

とりあえず、ナットとサドルを外して耐水ペーパーで削ることにします。

治療後

ナットは1弦と6弦側を大目に削って、弦の溝も削りなおしました。


サドルは2ミリくらい削り、ブリッジ側を高くして弦長を長くとり、オクターブピッチを合うようにしました。


その結果、弦高が下がったおかげでチューニングが安定し、オクターブピッチの誤差も少なくなりました。
何より、弦高が3ミリまで下がったので、各段に弾きやすくなりました。
心残りは、6弦の溝を深くし過ぎて、解放弦がビリつくことと、ペグの精度が悪いことです。
この2点を改善すれば、楽器としてもっと良くなるはずです。

だんなぽん
だんなぽん
これで、旦那ぽんのギターコレクションが増えました!