昨日のブログの最後で触れたオークションサイトで購入したスキャロップ加工されたネックの続編です。
ネックが届いた
出品時の説明文句には「素人加工されたネックなので、随所に荒い部分があります」とのことでしたから、ある程度の覚悟を持って入札しました。
細かいところを見ていくことにします。
とりあえず、開封直後の画像がこちらです。
指板の削りがヒドイ
スキャロップ加工の先駆者であるリッチー・ブラックモア先生は、マスキングテープをフレットに貼って養生した上で上で、サンドペーパーで1フレットごとに慎重に削っていったそうです。
インターネットで、某リペア職人さんの記事を読んでみても同様のことが書かれています。
ちなみに、素人が作業をすると「1フレットあたり1時間はかかる」とコメントされていました。
焦って彫刻刀などで彫ってはいけないともアドバイスがありました。
スキャロップ加工の場合は、木目に対して直角に削る加工なので、彫刻刀の刃が深く食い込んで木が剥がれるように削れてしまうようです。
特にメイプル指板の場合は木が硬いので、彫刻刀は厳禁だそうです。
さて、今回購入したネックはどうでしょうか?
削りかたは、1弦から6弦まで同じ深さでえぐるイングヴェイ・マルムスティーン仕様です。
指板の所々が「ササクレ跡」のようにえぐれています。
きっと、禁じ手の彫刻刀を使ったに違いありません。
おまけに彫りすぎているので、ポジションマークの底の部分やポジションマークの深さにまでえぐりが達していました。
また、加工後に指板全体にクリアラッカーを吹きかけたと思われますが、その後、更にサンドペーパーをかけたようで、木の地が出ているところがあります。
スキャロップドネックの場合、指板に触れることはないので、指板がササクレていても関係ないのですが、他人に見られたときに「こいつ、ヘタクソだな~」と思われたくないのですから、ちょっと手直しをしてみようと思います。
ササクレの補修
まず第一に、下手さ丸出しの指板のササクレを何とかしなければなりません。
いっそ、フレットを全部抜いて指板を剥がして作り変えようかとも思ったのですが、えぐりの一部分が指板と通り越してネックまで到達していたので、断念しました。
とりあえず、パテ埋めで誤魔化してみようと思います。
木工用のパテを使うことも考えましたが、乾燥後にボロボロと剥がれてきてはイヤなので、木を削って粉を作り、ボンドと混ぜてパテにすることにしました。
木の粉作りは、サンドペーパーでは不純物が混ざってしまうので、木工用の金属製のヤスリで大根おろしのようにして作ります。
ボンドは、楽器ビルダー御用達の「タイトンボンド」です。
これを爪楊枝で混ぜて、ササクレ部分に盛っていきます。
一通り、患部に盛った状態がコレです。
あとは、1週間ほど放置して乾燥させます。
乾くと、どうしても目減りするので、凹みがあるようなら、再度、パテを作って盛り直しになります。
とりあえず、今日できる作業はここまで!
木工作業は焦りが禁物ですので、気長に乾燥するまで待つことにしましょう。