ギター

【スキャロップドネック】なぜ指板を削る?メリットや効果は!?

スキャロップドネック

ロック好きな人なら、リッチー・ブラックモアやイングヴェイ・マルムスティーンと言う名前は知っていると思います。
更に、ギターに関心がある人なら、彼らのギターが普通と違うのはご存知ですね。

そうです!
指板がスキャロップ加工されているのです。
ギターネックのスキャロップ加工とは、指板を扇形に削る加工をすることで、そのような加工をされたギターネックがスキャロップドネックと呼ばれています。


スキャロップドネックの歴史

スキャロップ加工の先駆者は、ハードロック界の大御所であるリッチー・ブラックモアで、楽器店で見かけたリュート(中世ヨーロッパの弦楽器で琵琶に似ている)の指板が「えぐれ加工」されているのに気が付き、自身のギターに加工を施したのが最初と言われています。
その後、イングヴェイ・マルムスティーンが同様の加工を施したギターで戦慄のデビューを果たしたことで、スキャロップドギターの知名度は広がりました。
現在では、ポール・ギルバートやスティーブ・ヴァイなどハードロックやメタルギタリストだけではなく、ビリー・シーンなどのベーシストにもスキャロップドネックの愛用者が増えています。

スキャロップドネックの種類

指板を削るスキャロップ加工ですが、その深さや削り方など、加工方法にはいくつかのパターンがあります。

【リッチー・ブラックモア仕様】
6弦側から1弦側に向かって徐々に深くえぐる加工になっています。
低音弦側を深くえぐると押さえる力加減が難しく、ちょっと強く押さえるだけでも音程がシャープしてしまうために、巻弦側は浅くえぐるという工夫がされているのです。

【イングヴェイ・マルムスティーン仕様】
1弦から6弦まで、同じ深さでえぐられています。
現在、最もポピュラーな加工方法で、弦を押さえる強さの加減に気を付けないと音程が上がってしまうので、高度な演奏技術が必要になる反面、押さえる強さの強弱でビブラートがかけられるというメリットもあります。

【ハイポジションだけスキャロップ加工】
スティーブ・ヴァイやポール・ギルバートなどは21~24フレットだけをスキャロップ加工しています。
その他に、12フレット以降や20フレット以降など、ハイポジションだけをえぐって、ローポジションは加工しないというギタリストも多いようです。

ちなみに、私のギターも16フレットから上の1~3弦だけえぐったギターがあります。

だんなぽん
だんなぽん
チョーキングがしやすくなりました。

スキャロップドネックのメリット・デメリット

では、なぜ指板をえぐる必要があるのかを分析していきましょう。
そこにメリットがあるから加工するわけですが、逆にデメリットもあるのです。

【メリット】
・軽く押さえただけで音が出るので、速弾きが楽になる。
・指に弦が引っかかりやすくなるので、チョーキングがしやすくなる。
これらの効果は、押さえた時に指が指板に当たらないので、力がかかるポイントをフレットに集中させることができるからなのです。

【デメリット】
・押さえる時の力加減が難しく、かなりの慣れが必要。
・指板を削ることによりネックの強度が落ちるので、反りやすくなる。
・音が痩せる(音の立ち上がりが良くなるという人もいます)
・もとに戻すことができない。
・フレット交換の工賃が高くなる。

以前、全フレットをスキャロップ加工したことがあったのですが、指板と弦の隙間だけを見ると、弦高が異様に高くなった気がしてスゴイ違和感がありました。
幸い、加工したギターはストラトだったので別のネックと取り換えましたが、レスポールなどのセットネックでは簡単に戻すことはできませんので、加工する際にはかなりの決意が必要になりますよ。

旦那ぽん、スキャロップドネックを買う!

今回、私がこのブログを書いている理由は、ひょんなことからスキャロップ加工されたネックを入手したからです。
手持ちの余った部品を集めたら、ストラトのボディが組めたので「安いネックが無いかな~」とオークションサイトを見ていました。
すると、たまたま古い国産のネックが1,000円で出品されていました。
それが、素人がスキャロップ加工したネックだったので誰も入札されずに終了となり、楽猿してしまった次第です。

だんなぽん
だんなぽん
修理とセットアップについては、着手次第、ご報告します。