ギター

【初心者のギター講座5】安い楽器と高い楽器の違いはどこに?!

おはようございます、旦那ぽんです。
初心者のためのギター講座の5回目。
今日は、ギター本体の話【アコギ編】です。

安い楽器と高い楽器の違い

ネットや楽器屋さんで販売されているギターの価格は非常に幅がありますね。
安い楽器は数千円で買えますが、高い楽器は数十万円から数百万円するものまであります。
ギター初心者の人は、何故、こんなに価格差があるのか不思議でしょうから、そこから解明していくことにしましょう。

材質:安いギターはベニヤ合板

ギターの価格差の一番の要因は、使用されている木材の種類です。
アコギで使用される木材の最高級品は【ハカランダ(別名:ブラジリアンローズウッド】です。
ローズウッドとは、バラの木ではなく「削るとバラの香りがする木」という意味で、マメ科の植物です。
ハカランダはワシントン条約で海外への輸出が禁止されてしまったので、現在は入手が大変に困難です。


※旦那ぽんが現在製作中のギターの裏板(ハカランダ)です。

マーチン社のアコギは1960年代まではハカランダを使っていたので、1960年代までの楽器は桁違いに高価です。

現在、使用されている木材のグレードは以下のようになります。

ローズウッド(ニューハカランダ)>メイプル>マホガニー(ラワン)
※産地によってランクが上下します。

更に使われている板には、単板(1枚板)合板(複数の板を重ねた構造→ベニヤ合板)があります。
単板は木目が揃っているので板の響きが良いですが、合板は薄い板を縦横に貼り合わせているために音響的には単板に劣ります。
ホームセンターで板材を見ればわかると思いますが、1枚板よりもベニヤ合板の方が安いですよね?
同様に、合板で作られたギターは、材料費の面で安く作れるのです。

人件費:安いギターは韓国製・中国製

楽器を作る人に払う給料の値段も、楽器の価格に反映されます。
日本人は丁寧な仕事をすることで世界にも知られていますが、日本の物価は高いので給料も高額になります。
そこで、メーカーが安く製品を販売しようと考えた時に、真っ先に着目するのが人件費です。
日本よりも物価が安い海外で作ってもらった方が人件費を削減できますから、輸送費をかけてもコストダウンできるのです。
つまり、コストが浮いた分だけ、製品を安く販売ができるという論理です。

ですから、ギターの関しては同じ木材を使っていても、
日本製 > 韓国製 >中国製 の順で価格がダウンしていきます。

精度について

日本で作られるギターは、楽器製造メーカーやルシアー(ギター職人)が作るものなので、しっかりした楽器です。
しかし、海外で作られるギターは楽器屋さんが作ることは少ないです。
通常は、家具や木箱を作っている工場の工員さんを教育して作ってもらっているので、楽器を知らない人が作っているのです。
ですから、韓国や中国で作られた楽器の中には音程が不安定など、楽器として成立しないものもあります。

いくら初心者だからと言って、あまり安い楽器を買うのは考え物です。
外国製であっても、日本ブランドの楽器を買った方が安心です。
日本の楽器ブランド名で販売されていれば、少なくとも楽器としての根本は確保されていると思われますからね。

部品について

本体に取り付けられているペグ(糸巻き)やナット、サドルなどの部品も楽器の価格に反映されます。
安いペグだと1セットで1,000円前後からありますが、ガタつきが多いのでチューニングが安定しません。
安い楽器に取り付けられているペグは、そのような物ばかりです。
一方で、高級品に取り付けられているペグだと1万円以上しますから、それだけで安い楽器が買える値段になります。

又、安い楽器のナットやサドルはプラスチック製ですが、高級品には牛骨などが使われています。
プラスチック製は数百円程度で買えますが、素材が軽くて音響的には好ましくありません。
牛骨製のナットやサドルは密度が詰まっていて音響的には良いのですが、それぞれ千円以上はするので、楽器の価格も高価になります。

調整について

一番気になるポイントがココであり、安い楽器を改善できる一番のポイントもココです。
高い楽器は楽器屋さんが作るので、組み上がったギターが弾きやすくなるように職人さんや技術スタッフが調整してくれます。
ですから、高い楽器は弾きやすいのです。

一方で、安い楽器はナットやサドルを付けただけという楽器や、いい加減な調整しかされていない楽器が多いので、買ったままの状態では弾きづらいものが多いです。
まあ、楽器を知らない木箱工場の工員さんが作っているのですから、調整できないのも仕方がありませんね。

安い楽器は本当にダメ楽器なのか!?

まず、弾きにくさを解決することが先決です。
初心者の人は、自分の楽器の「弾きにくさ」に気が付かない事が多いです。
もし、友達でギターを弾いている人(初心者レベルより上)がいたら、自分のギターと弾き比べさせてもらって下さい。

きっと、アナタのギターは弾きにくいと思います。
安いベニヤ合板の楽器を高級ローズウッッドのギターと同じレベルの音にすることは不可能ですが、弾きやすくすることは調整次第で可能です。


ということで、次回は弾きやすくするための調整方法について、お話します。