【アンデスの弦楽器!】貴重なアルマジロ製チャランゴを購入!!
今回も、フォルクローレには欠かせないチャランゴのお話です。
ワシントン条約の保護対象品
アルマジロは南米では食材に使われていましたが、その数が激減したため輸出制限の対象に指定されています。
ですから、アルマジロ製のチャランゴは、現在の日本では非常に入手が困難な楽器なのです。
日本は1980年にワシントン条約の締約国となったため、国内で流通しているアルマジロ製チャランゴは、それ以前に持ち込まれたものが多いようです。
しかし、それらの多くは楽器と言うよりは「お土産用の民芸品」というクォリティーの物が多いです。
なんと!1,000円でアルマジロ!!
私は日中、パソコンに向かって作業をすることが多く、息抜きでネット通販サイトやオークションサイトを観ています。
特に、オークションサイトでジャンク品と呼ばれる楽器を探しては、落札して直したり改造して楽しんでいます。
先日、オークションサイトを観ていたら、アルマジロ製のチャランゴが、1,000円で出品されていました。
出品時の画像を観ると、明らかに昭和の時代から物置で放置されっぱなしでほこりまみれになっていましたという雰囲気が蔓延していました。
一目見ただけで、「このままでは使えないな」とわかるほどの状態でしたが、そこが旦那ぽんのオタク心をくすぐるのです。
「本物のアルマジロだから、ちゃんと直してあげないとかわいそう!」という気持ちと「これが1,000円ならお買い得!」という下心で、即効で入札しました。
意地で落札!その価格は!?
客観的に見て、このチャランゴは楽器としての使用には耐えられないと思いました。
ちゃんとしたチャランゴ奏者なら、弾きやすさや音程の正確性を重視しますので、このチャランゴには、そのクォリティーはないと思いました。
ペグもヘッドから浮いているように見えたので、元の造りが荒いのでしょう。
ですから、いわゆる「目利き」の人は入札しないと高をくくっていました。
更に、送料がかかるわけですので、5,000円までなら競り合うつもりでいました。
入札件数が7件で、落札価格が1,800円!
見事に落札しました!
支払手続きを済ませ、待つこと数日。
待望のチャランゴが到着しました。
チャランゴの状態は?
弦は数本外れていますが、ネックやトップ板に割れがなく、アルマジロの胴体も破損がありません。
問題点は指板のフレットが無い部分を中心に「への字」になっていることです。
日曜日に放送されているモヤモヤした散歩番組の女子アナのような「ペクン顔」と言いますか、ギターで言う「ネックの元起き」の状態です。
アコギの場合は、ネックを外して仕込み角度を変える「ネックリセット」という方法で修理しますが、チャランゴの場合は楽器を伏せた状態(トップを下にした状態)で重めの字辞書などを乗せて長時間放置しておくのだそうです。
又、トップ板とボディの接合部分は接着剤と木の粉をを混ぜたと思われるパテで固められていますが、それがアルマジロのボディが痩せてきたせいか、隙間だらけになっています。
そこに衣服や爪が引っかかるたびにパテがボロボロと崩れてくるので、その部分も埋めなければなりません。
ヘッドのスロテッド部分も手掘りのいい加減な感じが「いかにも現地の素人の手作り」と言ったレベルで大雑把です。
ガサツの境地!ペグが釘止め!!
何よりビックリしたのが、ペグの止め方です。
通常、ペグは交換や取り換えのために、取り外しが簡単なビス止めされるものですが、このチャランゴは何と釘打ちされています。
又、チューニングを安定させたりビリつくのを防ぐために、ペグがネックを密着させるのが常識なので、ペグを固定するためのネジ穴は複数空いています。
しかし、このチャランゴは5個のネジ穴のうち、3個しか釘打ちされていないので、ペグとネックの間に2ミリくらいの隙間があります。
更に釘すら浮いてきているので、ペンチで簡単に抜けそうです。
そんな状態なので、弾いた痕跡は全くなく、フレットも減っていません。
何とか、リペアして楽器としてデビューさせてあげたいと思います!!
修理状況は、又、ご報告します。