今日は、昨日に引き続きフォルクローレの話です。
チャランゴとは?
胴体はウクレレほどの大きさですが、ネックが太く、2本で1セットとなった弦が5コース(10弦)張ってある南米アンデス地方の民族楽器です。
その由来は、16世紀にスペイン人が持ち込んだ「ビウエラ・デ・マノ(ギターの前身となる弦楽器)」を真似て作られたのが発端と言われています。
胴体の表側はウクレレに似ていますが、裏面はひょうたんのように丸みを持った形状になっており、1本の角材を繰りぬいてボディとネックを削り出します。
もともと、南米ではアルマジロを食用にする習慣があり、食べ終わったアルマジロの甲羅を胴体に使っていたようで、木製のチャランゴもその名残でボディが丸い形状をしているようです。
チャランゴの種類
チャランゴの弦は、ガットギターのようなナイロン弦を張るタイプが主流ですが、マンドリンのように鉄弦を使うタイプもあります。
ナイロン弦はamazonでも簡単に入手できますが、フロロカーボン素材の釣糸を使う人もいます。
旦那ぽんが最初に買ったチャランゴは、楽器屋のオヤジが釣糸を張っていました。
ボディの形状は、木をひょうたん状に繰りぬいた形状以外に、ウクレレのような箱型に組んだタイプもあります。
楽器としての「鳴り」は、箱型の方が太い音が出ると思います。
木を繰りぬいたボディは木の振動が少なく、内部で音が反射するせいか、キンキンしたうるさい音になりがちです。
その点、ウクレレ状のボディなら厚さが数ミリ程度の板で組んでいますから、ボディの板もしっかり振動してくれるので、深い音が出ると思います。
一方、アルマジロの甲羅で作ったチャランゴですが、カラカラした軽い音がします。
もともと動物の甲羅を流用しただけのものなので、楽器としての材質に向いているとも思えません。
木製のようなシャープな音も出ません。
又、アルマジロの甲羅は亀と違って鎧状(エビの殻のような構造)になっているため変形しやすく安定しないので、プロの奏者は木製のチャランゴを使う人が多いです。
木製とアルマジロ製はどっちが良いの?
単体の楽器として考えた場合は、音響的には劣るアルマジロ製チャランゴですが、私は木製よりも、断然にアルマジロ製の方が好きです。
なぜならば、チャランゴの奏法は「かき鳴らし」がメインなので、鳴らないアルマジロ製の方が向いていると思うのです。
かき鳴らしとは、文字通り力強く弦をストロークする奏法で、「チャランゴの華」と言われています。
このかき鳴らしを、ケーナやギターなどと一緒にアンサンブルで楽しむ場合、木製チャランゴは「うるさい」です。
ですから、単体で弾くには木製が良い音かもしれませんが、グループ演奏の場合はアルマジロの方がベストマッチなのです。
アコギならば、木製がマーチン、アルマジロ製がギブソンと言った印象です。
単体ならマーチンの音はキレイなのですが、バンド演奏の場合は他の楽器とぶつかってしまい、音が前に出てこないのです。
逆にギブソンのような無骨ながらもドッシリした音の方が、バンドアンサンブルの中では映えるのです。
ですから、多くのバンドでアコギを弾く場合は、マーチンよりもギブソンをチョイスする人が多いのです。
木製とアルマジロ製は、それぞれにそんな個性や良さがあると思います。
ちなみにアルマジロ製チャランゴは、現在ワシントン条約で保護されているので安易に輸入することはできません。
チャランゴはどこで買えるの?
日本では馴染みがない楽器なので、御茶ノ水などの楽器屋さんを回っても販売している店は無いと思います。
しかし、amazonなどのネット通販では販売を確認しました。
専用の弦や教則本、DVDなども販売されていますので、昨日、お勧めした「ロス・インカス」のCDを聴いて興味を持った人は、以下もご覧になってみて下さい。