民族楽器

【平泉成さん】自作の笛を共演者に!南米の尺八【ケーナとは?】

モノマネされるベテラン俳優

映画だけでなくテレビドラマやナレーションでも知られている平泉成さん。
最近では、モノマネのターゲットとしても有名ですね。
そんな平泉成さんに、意外な一面があるって知っていましたか?
先日、テレビ番組で「変わった物をプレゼントする人」としてネタにされていましたが、その品物が「手作りの笛」だったんです。
しかし、オモチャの笛ではなく「ケーナ」という南米の楽器だったのでビックリ!?
ケーナとは、知る人ぞ知る名曲!
「コンドルは飛んでいく」のメロディを奏でる、美しい音色が出る縦笛です。
平泉成さんは、そのケーナを自作なさっているそうです。

田中健さん御用達

俳優の田中健さんと言えば、昭和生まれのお父さんには懐かしい「俺たちの旅」で一躍有名になった俳優ですが、日本を代表するケーナ奏者としても知られています。
その田中健さんの使用しているケーナを作っているのが平泉成さんというのは、恥ずかしながら、今回初めて知りました。
平泉さんは愛知の田舎育ちで、竹を使って水鉄砲などの遊び道具を自作していたそうです。
40歳半ばの頃(現在74歳)、中華街で竹製のケーナが販売されているのを見つけた平泉さんは、幼少期からの経験を活かして「自分でも作れる」と思ったそうです。
その頃、俳優仲間であった田中健さんから「良いケーナが見つからない」という話を聞いて自作を始め、それ以来、田中さんが使用するケーナは全て平泉さんの製作になったそうです。
ですから、ケーナ作者としての経歴は30年近くになるそうで、これまでに1,000本以上のケーナを作ったというのですから、オドロキです。

何しろ、民芸品ではなく、楽器として使用できるケーナは1万円以上します。
ケーナ奏者としても活躍している田中さんが使用する楽器なので、かなりハイレベルのクオリティだと思われます。
納得がいくケーナに仕上げるには数か月もかかるそうなので、その腕前は「職人レベル」だと思われます。

ケーナとは?

ケーナは、フォルクローレと呼ばれる南米の民族音楽で使われる楽器です。
日本ではアンデス山脈周辺の音楽に人気があります。
アンデスが分からなければ、世界遺産の「マチュ・ピチュ」といえば、ピンとくるのではないでしょうか。

ケーナの発祥はペルーやボリビアと言われており、材料は現地の葦やリャマ(アルパカのような動物)の骨などで作られていました。

日本では竹で作られているようで、平泉さんも竹でケーナを製作しています。
最近では、プラスチック製のケーナも販売されているようで、お茶の水の楽器店で見かけたことがあります。

音の出し方は「尺八」と同じで、吹き口がU字に切り込みがあり、その歌口に向けて息を強く引き付けることによって音が出ます。
ですから、リコーダーのように誰でも簡単に音が出せる楽器ではなく、楽曲を演奏するまでにはかなりの練習が必要になります。

だんなぽん
だんなぽん
ちなみに中学2年生の時からケーナを持っていますが、音が出せる程度で演奏はできません。

ケーナの名曲

ケーナの演奏で一番知られている楽曲は「コンドルは飛んでいく」だと思います。
この曲はアンデス地方を中心としたフォルクローレの代表的とも言える、世界的にも有名な楽曲です。
この曲が世界に知られるようになったのは、アメリカのフォークデュオである「サイモン&ガーファンクル」が、ロス・インカス(後に日本に来日した際にはウルバンバと改名)の演奏に歌詞を付けて、アルバム「明日に架ける橋」に収録されたことがきっかけです。

だんなぽん
だんなぽん
ちなみに、旦那ぽんが本格的にギターに取り組みだしたのも、この人たちの影響です。

サイモン&ガーフェンクルは、このアルバムを最後に長期の活動中止期間に入りますが、ポール・サイモン師は自身のアルバムの中に収録した「ダンカンの歌」でウルバンバと共演して印象的なケーナの使い方をしていますし、アート・ガーファンクル氏も彼のアルバムで「ひとりぼっちのメリー(オリジナルはフォルクローレのエル・エコー)」を収録しています。

だんなぽん
だんなぽん
つい、サイモン&ガーファンクルの話になると夢中になってしまいます・・

話しが反れてしまいましたが、ロス・インカスやウルバンバはフォルクローレの中でも比較的洗練されていて聞きやすいと思います。
本格的なフォルクローレファンにはミーハーとバカにされるかもしれませんが、入門用としてはコレがお勧めです。

ケーナの音色に、きっと癒されると思いますよ。