ギター講座

【初心者のギター講座10】アコギは板で音が変わる!?木材の話

こんにちは、旦那ぽんです。
久々に、初心者のためのギター講座、今日はアコギに使われる板の話です。

ギターのボディについての呼び方

アコギのボディは箱状になっていますね。
まず、丸い穴が開いている方の板、弦が張ってある方の板が『トップ:表板』と言います。
その反対側、自分のお腹に当たる部分を『バック:裏板』と言い、トップとバックをつなぐ側面の板を『サイド:側板』と言います。

単板と合板

アコギに使われる板の構造です。
これによって、ギターの価格は大きく変わってきます。

一枚板(無垢板)のものを『単板』と言います。
英語では『solid:ソリッド』です。
例えば、表板が『松』の無垢板の場合は、『トップ:スプルース単板』とか『Top:Solid Spruce』と表記されます。

これに対して、『合板』と呼ばれるものは、何枚もの薄い板を張り合わせた板で、いわゆる『ベニヤ板』です。
一般的に合板は『plywood:プライウッド』と言いますが、ギター業界では『laminate:ラミネート』という動詞で呼ばれることが多いです。

又、あえて合板という表現をしない事も多く、『トップ:スプルース』という表記の場合は、ほとんどが『トップ:スプルース合板』と理解して良いと思います。

単板の特徴

単板は製材したままの貼りあわせをしていない一枚板を言います。

単板のメリット

何と言っても一枚板なので振動の伝わりがスムーズで音響的に優れている点です。
アコギに使われる板は、厚さが3mm前後です。
ホームセンターなどに出かけた際に、無垢板とベニヤ板をノックするように指でコンコンと軽く叩いてみて下さい。
音の響き具合が、全然違うはずです。

単板のデメリット

単板は合板に比べて強度や耐久性に劣るというデメリットがあります。
単板は乾燥しすぎると割れることがありますし、湿度の変化によってはよじれなどの変形を起こすリスクもあります。
そのため、高級なギターはガラスのショーケースで徹底した湿度管理の下で展示しているギターショップも多いです。
一般ユーザー用にはサウンドホールに取り付ける乾燥材なども販売されています。
又、クラッシックギターの演奏家には、海外演奏会に出かけた際にホテルの室内が乾燥していると、風呂の扉を開けて一晩中シャワーのお湯を出しっぱなしにするという人もいるそうです。
単板の楽器は、環境が変わると、それだけ影響が出やすいので管理に気を配らなければならない点が手間になります。

更に、単板のギターは板材を3mm前後まで均一に削って薄くするので、材料費や工賃などの製造コストがかかりますから、出来上がった楽器の価格が高くなるのもデメリットと言えるかもしれません。

合板の特徴

合板は薄くスライスした板を、木目が交互になるように重ねて接着して作ります。

合板のメリット

合板で作られたギターは、一見すると単板の高級品と見分けがつきません。
高級ギターのサイドやバックには『ローズウッド』や『ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド』などが使われていますが、合板のギターでも表面のスライス材だけローズウッドを使えば、芯材は何を使っても見分けがつかないのです。
結果として、合板を使えば、見た目はそのままで材料費を安くすることができるのです。
製造コストが低く抑えられれば、結果として低価格なギターが提供できるというのが最大のメリットです。

又、合板は木目を交互に重ねて貼り合わせているので、単板に比べて強度や耐久性の面で優れていますから、割れや変形にも強いギターになるのです。
販売価格が安い上に頑丈な楽器なので、合板ギターは初心者にはうってつけの楽器だと言えますね。

合板のデメリット

合板ギターのデメリットは『音が悪い』という点に尽きます。
これは、合板は木目が交互に幾重にも貼りあわされていますから弦の振動は伝わりにくく、重ねたスライス材が多いほど使われている接着剤の量も多くなるので、重く振動しにくい板になってしまうことが原因です。

単板と合板の価格差は?

ギター材で最高級と言われる『ハカランダ』は1970年を境にワシントン条約で輸出が禁止されてしまったため、入手は非常に困難になってしまいました。

そのため、1960年代までのマーチン(ハカランダ仕様)と1970年代以降のマーチン(ローズウッド仕様)では、同じ『D-28』というモデルでも150万円以上の価格差があるのです。
一方で、1970年代頃までは国産の楽器メーカーもハカランダを使用したギターを作っていました。
YAMAHAのハカランダ単板のギターは30万円以上(某オークションでは10万円台から出品があります)でしたが、ハカランダ合板のギターは2万円代(某オークションでは数千円代から)から販売されていました。

どうです?
すごい価格差ですね。

ここで、ひとつアドバイスをしておきます。
現在でも、某オークションサイトで1970年頃のギターが販売されていますが、ハカランダギターと謳っている楽器で『単板』と謳っていない楽器や、販売価格が10万円以下の楽器は、ほぼ間違いなく合板です。
ですから、『本当にあり得ないハカランダでこの価格!モー○スW-40超激鳴ヤバイ!!』なんて出品があっても、W-40という型番から、当時の販売価格が4万円ということが分かりますので、間違いなく合板です。

又、ひどい出品者だと『ハカランダ単板』と謳っておいて、指板がハカランダという商品を見かけることがありますので、オークションを利用する場合はハカランダという言葉に惑わされないようにしてください。

ここまで合板ギターはダメな楽器みたいな書き方をしてきましたが、必ずしも、そうとばかりは言えません。

明日は、「合板ギターは本当にダメなのか?」をテーマにお話ししましょう。