前立腺がんの放射線治療は、ネットで調べたところ、総額150万円もかかるそうです。
そんな金額は一般家庭には負担が大きすぎますね。
そこで、日本には高額医療制度が用意されています。
今日はこの制度のおかげで助かったというお話です。
放射線治療の実際の医療費
前立腺がんの放射線治療も10回目が終了しました。
治療期間が2か月(約30回)なので、やっと1/3が過ぎたというところです。
ですから、普通に支払っていれば、健康保険適用後は1か月あたり25万円の医療費が必要なります。
ここで、これまでに掛かった医療費について、実費で掲載してみます。
1回目:6,850円(紹介状を持参して問診~治療プラン作成、照射目印付け)
2回目:18,250円(第1回照射)
3回目:5,820円(診察あり、以降、週1で診察あり)
4回目:5,620円(以降、放射線治療のみの日)
今後は、毎回:5,620円と週に1回の診察料(200円)がかかると思われます。
この他に、週に1度の診察と飲み薬(ホルモン治療薬)の代金が必要になります。
ここから算出しますと、3割負担で50万円まではいかないまでも、トータルで必要となる治療費は、30万円程度と考えられます。
しかし、きちんと健康保険を収めていれば、年収に応じて支払う医療費の上限が定められており、それ以上の金額に関しては健康保険が負担してくれるという有難い制度が日本にはあるのです。
それが、高額医療保険制度です。
高額医療保険制度とは
健康保険は個人でなく、各家庭の所得額の合計が対象になります。
ですから、共稼ぎ夫婦の場合、夫200万円、妻100万円の収入があった場合は、所得は300万円として計算されます。
認定証に表記されている適用区分は以下になります。
【70歳未満】
区分 | 所得 | 所得要件自己負担限度額(3回まで) | 自己負担限度額(4回目以降) |
ア | 901万円超 | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
イ | 600万円 ~901万円以下 |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
ウ | 210万円 ~600万円以下 |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
エ | 210万円以下 | 57,600円 | 44,400円 |
オ | 住民税非課税 | 35,400円 | 24,600円 |
入院時食事代(1食あたり)
ア~エ | 460円 |
オ | 210円 |
私が高額医療保険制度を知ったきっかけ
最後に、私が高額医療保険制度をしったきっかけについてお話します。
私は30歳代から、年に一度の割合で、激しい動機と発汗に襲われることがありました。
結婚してから、その光景を見た嫁にんが心配して病院へ行ことを強く勧めてくれたので、通院することにしました。
検査の結果、狭心症と診断され、入院し手術を受けることになりました。
心臓の手術と言っても、昔のように開胸ではなく、カテーテルによるステント挿入なので、2泊3日で退院できます。
実際には、医師の高度な技術が必要な大変な内容なのですが、患者にとっては部分麻酔で医師と世間話をしながらの手術だったので、簡単に済んだ印象でした。
しかし、退院するときに渡された請求書を見てビックリ!!
車を売らなければ、退院できない・・・
ちょうど、同じタイミングで同病院の整形外科に母親が入院していました。
あまりの金額の大きさに、母親の病室に見せに行ったら、手術後の寝たきり状態の母が、
と仰天していました。
と言って、請求書を返してきた母親が、数分後に
と言って、請求書を手に取り、再び「ええー!?」と驚いていました。
これを3回も繰り返してくれたおかげで、私と嫁にんの悲壮感は和らぎました。
その後、入退院受付へ金額を確認しに行ったのですが、間違いはありませんでした。
その際、窓口の女性担当者さんが、「私、この説明しませんでしたっけ?」と言って見せてくれたのが、高額医療保険制度のパンフでした。
と、心の声が大騒ぎをしていましたが、大幅な減額になるのですから、バンバンザイです。
一旦、自宅へ帰り、役所で認定証を発行してもらい、そのまま病院で清算をすませました。おかげで、クレジットカード払いで、無事に退院することができました。
高額医療保険の申請方法
お住まいの市区町村役所へ出かけていき、国民健康保険の窓口で申請すれば、その場で『限度額適用認定証』を発行してもらえます。
手続きに必要な物は、健康保険証と印鑑、マイナンバー(無くても可)です。
健康保険証の有効期限とは異なり、高額医療の認定証は7月31日が有効期限です。
期限が切れても申請すれば即日発行してもらえますし、私のように『後付け』でも対応してもらえます。
又、認定証の申請をしていなくても、限度額を超えた金額に関しては、数か月後に役所から通知がきます。
それに基づいて手続きをすれば払い過ぎた分は、口座振り込みで返金してもらうことができますから、心配はいりません。
ただし、一時的に医療費を建て替えることになります。