おはようございます。
旦那ぽんです。
今朝は比較的涼しくて、過ごしやすい朝です。
愛犬の空(くう)の散歩も、汗をかかずに帰ってこられて、一息ついたところです。
でも、昨日(2018年7月23日)は暑かったですね~・・
埼玉県の熊谷市で、史上最高記録の41.1℃を記録したらしいですよ~
そんな最中に、実母(82歳)が補聴器屋さんへ行く(チャリ自走)というので、行き倒れられては大変ですから、車に乗せていくことにしました。
そんなわけで、今日は補聴器のお話です。
補聴器って、音を大きくするだけ?

10年ほど前に、母親が最初の補聴器を作るまでは、私も「補聴器は音を大きくするだけ」だと思っていました。ですから、音響関連の仕事をしている私は、小型マイクとアンプを用意すれば何とか自作できるんじゃないの?と軽く考えていました。
しかし、実際に補聴器屋さんへ行ってみると、その考えは全く違っていることに気が付いたのです。
聴力を補助する機器には「補聴器」以外に「集音器」があるのだそうです。
両者の一番の違いは性能です。
集音器はマイクで音を拾って大きくするだけなので、単純にマイク、アンプ、スピーカー(イヤホン)を小型化すればOKな機器です。
しかし、人間には個性や体質があるように、個人個人で視力や聴力にも差があります。又、視力に遠視、乱視、近視、老眼などの違いがあるように、聴力にも個人による聞こえ方の違いがあるのです。
一般的に人間の聞こえる周波数は20Hz~20,000Hzの範囲が聞こえる(実際にはそんなに広範囲ではありません)と言われていますが、人によっては高音域が聞こえにくかったり、低音域が聴きとりずらいということがあるのです。
その個人差を補正し、使う人に合わせて調整できる集音器が補聴器なのです。
つまり、補聴器には周波数を補正するEQ(イコライザー:音質調整機能)やコンピューターが搭載されているのです。

その差は価格を見れば一目瞭然です。
集音器は1万円程度で購入できますが、補聴器は安価なものでも10万円程度、母親が現在使っているものは両耳で30万円近くしました。
又、補聴器は医療機器なので、補聴器メーカーは厚生労働省に認可申請をして許可されなければ販売することができませんし、販売店も厚生労働省に届出を出してからユーザーに補聴器を納品することを義務付けられています。
これに対して集音器は、メーカーが製造してインターネットや家電量販店を通じて販売するだけなので、国への登録や申請の必要はありません。
いわゆる「家電製品」という扱いなのです。
補聴器と集音器の違いを理解しよう
以前の私のように、補聴器と集音器は同じものだと勘違いしている人は多いと思います。むしろ、集音器が補聴器だと思っていると言った方があっているかもしれません。
そのように補聴器に正確な知識が無い人が集音器を買うと「補聴器を買ったけれどガシャガシャうるさいだけ」とか「期待していたのと違う」といったことになり「はい、ガッカリはん(ひょっこりはん的に言ってみました)」になってしまうのです。
そのような人は、知識不足のために「自分に合った補聴器を作れば改善するかもしれない」という可能性を自らの勉強不足で潰してしまっているのです。
そうらないためにも、以下のことをキチンと理解しておいてください。
- 補聴器は個人に合わせて調整するオーダー品で医療器具である。
- 集音器は誰でも手軽に使える拡声器で家電である。
それだけではありません。
補聴器は医療機器なので、聴力が落ちてきた人に配慮した機能が数多く搭載されています。
例えば、いきなり大きな音が鳴っても耳を保護するために自動で音量を下げる機能(いわゆるコンプレッサー/リミッターのような回路ですね)や周囲の音がうるさいときに相手の言葉を聞き取りやすくしてくれる機能(マイクの指向性を自動で切り替えてくれるようなもの)などが組み込まれています。

これに対して集音器は「ただ音を大きくするだけ」なので、いきなり大きな音がしてもそのまま聞こえてきますから、鼓膜や心臓に良くありません。周囲の音がうるさくても、相手の声が聞き取りにくいままです。
会議やセミナーをmp3レコーダーで録音した音を聞いてみると、意外に周囲の音がうるさいことに驚いた経験はありませんか?
あの状態のまま、耳元で大きな音となって聞こえてくるわけですから、聴力が落ちてきた人が集音器に期待するのは間違いなのです。
ですから、カタログやネットで「ただ値段が安いから」という理由で補聴器と間違えて集音器を買わないように、くれぐれも注意して下さい。
補聴器と母のその後
先ほどから申し上げているように、補聴器はオーダーメードの医療機器です。
日頃から、母は「旦那ぽんの声はボワンボワンしていて聞き取りにくい」と言っていました。「バケツをかぶせられて話をしているみたい」とも言っていました。その話を聞いて、ローカット(低音部分を減らしてもらう)してもらった方が良いなと思っていましたが、いつも母親はチャリダーで出かけていくので同行できませんでした。
昨日は、たまたま同行できたので、定期点検ついでに「低音が反響するみたいなので50Hz~100Hzあたりをごっそりとカットして下さい。」とオーダーしました。
調整されてきた補聴器をつけた母は、人生の悩みが全て吹っ飛んだような晴れ晴れとした表情になり「旦那ぽんの声がハッキリ聞こえる」と喜んでいました。
さすが、補聴器屋さん!
ちなみに、母が通っている補聴器屋さんはリオネットという補聴器専門店なので、音響屋さんの私も全幅の信頼を寄せています。
この話には続きがありまして・・・
詳細は次回「ハカランダのマーチンが買える!?ばーちゃんニュー補聴器購入!」でご紹介します。