今日もクレジットカードの審査についてのお話です。
昨日はスコアリング審査について解説しましたが、今回はカード審査のもう一つの柱である「信用情報」についてです。

信用情報とは?
クレジットや分割購入などを利用すると、使用者の住所や氏名などの個人情報や全ての契約内容、返済の状況などが信用情報機関に記録されます。
これらの情報は会員となっている企業に共有され、新規の申し込みが有った際に、申請者の同意のもとに照会され、審査の参考にされます。
そこには、クレジットやカードローンの利用状況が詳細に記録されているので、過去に返済の遅延や延滞が有った場合は審査に不利になります。
信用情報に登録される内容
・住所・氏名・生年月日・勤務先などの属性情報
・クレジットカード・ローンなどの契約内容や返済記録
・キャッシングやカードローンなどの借入額
・自己破産・債務整理などの金融事故(異動)情報
これらの記録は「クレジットヒストリー」と言い、問題なく返済を続けていれば、どんどん信用情報が積み重なっていきます。
そうなると、信用情報審査に通りやすくなるので、専門用語で「クレジットヒストリー(クレヒス)を育てる」と呼んでいます。
ブラックリストとは?
金融関係の用語で「ブラックリスト」という言葉を聞いたことがありませんか?
返済の遅延や延滞を繰り返したり、自己破産などの債務整理の履歴があると金融事故者として、いわゆる「ブラックリスト」に登録されてしまいます。
しかし、実際には「ブラックリスト」というものはなく、信用情報に「異動」という文字が記載されるようです。
これが記録されると、一定期間は記録が残ります。
すると、申込者は信用が得られませんので、新規の契約はできないと考えた方が良いでしょう。
これをネット用語で「喪に服す」と言い、5年~10年間は記録が残ります。
喪が明けたら、一切のクレジットヒストリーが抹消されます。
しかし、天下晴れて新規の申し込みができると思ったら大間違い!!
一切のクレヒスが無い状態ない「ホワイト」と呼ばれて、それはそれで警戒されます。
「クレヒスがホワイト」ということは、記録が残っていなくても「金融事故経験者」ということがバレバレですからね。
又、厄介なことですが、過去にクレジットカードやローンを利用したことが無い人も、クレヒスがホワイトですから、金融事故者と区別がつきません。
もし、30歳過ぎて初めてクレジットカードに申し込む人がいたら、本人は気が付かなくても、審査する側には警戒されていますから、くれぐれも用心して下さい。
又、ブラックリストではありませんが、気を付けたいことがあります。
それは、クレジットカードやカードローンの審査に申し込んだ情報も、6ヶ月間信用情報に記録が残るということです。
つまり6ヶ月間に複数のクレジットカードやカードローンに申し込むと「よほどお金に困っている人」と警戒されてしまうのです。
これを「多重申込」と言い、このことも審査に不利になってしまう要因なので注意して下さい。
この情報は6ヶ月を超えとクリアになるので、クレジットカードやカードローン審査に落ちた場合は、6ヶ月を過ぎてから新規で申し込むことが基本です。
個人信用情報はどこで監視しているの?
個人の信用情報は「信用情報機関」と呼ばれる機関で管理、運営されています。
国内の信用情報機関は3社あり、それぞれ加盟している企業(会員)からの請求に応じて利用申し込み者の個人情報を提供します。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
主な会員として、クレジットカード会社、信販会社、保険会社、携帯電話会社、消費者金融などが加盟しています。
携帯電話会社は、大手3社が加盟しているため、携帯電話本体を月額利用料金とともに支払っている人は、支払いの遅延に注意して下さい。
「料金未納でケータイを止められた」という人は、自己記録として登録されています。
学生時代にケータイを止められたことがある人は、新社会人となってクレジットカードを作ろうと思っても、審査落ちする可能性は大きいです。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
日本の最古参であるJICCは何度も合併を繰り返しているので会員数が多く、その企業は多種多様です。
JICCの主な会員は、消費者金融、保証会社、信販会社、リース会社、クレジットカード会社があります。
JICCの会員の70%近くは消費者金融などの貸金業者です。
全国銀行個人情報センター(KSC)
KSCは、社名の通り、銀行が中心の信用情報機関で「全銀協」や「JBA」と呼ばれることもあります。
KSCの主な会員には、銀行や銀行系クレジットカード会社、協同組合などがあります。
通常、クレジットカード審査ではCICやJICCの情報を照会しますが、アメリカン・エキスプレスや三井住友カード、UFJニコスなどの銀行系のクレジットカード審査ではKSCの情報も参照します。
今回のまとめ
個人信用情報に関して色々とお話ししてきましたが、最後に注意点を上げておきます。
まず、公共料金や税金、家賃などは遅延しても信用情報にキズはつきません。
口座からの自動引き落としが遅れても大丈夫です。
しかし、これらの支払いをクレジットカードで行っている場合は、カードの利用代金に含まれますから、遅延情報は記録に残ってしまいます。
同様に、家賃も保証会社経由で引落になっている場合は、遅延情報が記録されますから注意してくださいね。