昨日、リボ払いは手軽に利用できるだけでなく、毎月の支払額が一定なので、利用しやすい反面、使いすぎる危険があるというお話をしました。
今日は、一般的な常識である「リボ払いが損」ということについて、検証したいと思います。
分割払いとリボ払いの違い
昨日も触れましたが、分割払いとリボ払いの違いを整理してみます。

利用と返済について
分割払い:購入する商品ごとに支払回数を決め、金利と毎月の返済金額を算出する。
リボ払い:顧客に与えられた利用限度額の範囲で自由に借入れができ、毎月の返済額は一定。
追加の借入れ
分割払い:商品ごとに別契約。
リボ払い:追加購入についての新規契約はナシ。
支払金額の変更
分割払い:基本的には不可能。
リボ払い:クレジットカードの場合、利用者の申請により可能。
返済期間
分割払い:契約時に顧客が決定した回数。
リボ払い:残高がゼロになるまで継続。
利息の計算方法
分割払い:契約時の支払回数によって算出(固定)。
リボ払い:毎月の利用残高をもとに算出(残高により変動)。
このように、分割払いとリボ払いは、商品代金を立て替えてもらうという面では同じですが、運営システムの内容が大きく異なるのです。
特にリボ払いが「損」と言われる最大の要因は、最後にあげた「利息の計算方法」です。
双方の計算方法を比較して、分析してみましょう。
分割払いの利息計算方法
分割払いの計算方法は、商品代金と個々のクレジットカード会社によって設定された「分割払い手数料」(いわゆる金利)を加算して、支払回数で割り算することにより算出されます。
以下の画像は、イオンカードの公式サイトより転載させていただきました。
これによりますと、10万円の支払いを10回で返済する場合に支払う利息は5,600円となり、毎月の支払額は10,560円となります。
リボ払いの利息計算方法
リボ払いの金利は、クレジットカード会社が決めた「実質年利」によって算出されます。
実質年利とは、代金の立替えによって生じた借入額を1年間借りた場合に発生する金利のことです。
通常のリボ払いは、毎月の返済日に自動引き落としになりますから、1ヶ月単位の計算になります。
【リボ払いの利息計算手順】
年間の利息:利用残高 × 実質年利
1日当たりの利息:年間の利息 ÷ 365(日)
毎月の請求額:1日当たりの利息 × 30(日)
この場合、1年を365日、1ヶ月を30日で計算しました。
このように、リボ払いの利息計算は、分割払いのように単純に算出できないので、難しいというのが一般的な意見です。
【イオンクレジットのリボ払いシミュレーション】
イオンカードの公式サイトには、リボ払いの返済シミュレーションのページがあります。
10万円の利用で毎月の返済額を1万円、実質年利14.0%で計算してみます。
イオンカード公式サイトより
毎月の返済額は千円以上しか設定できなかったので、1万円の11回払いという条件で入力しました。
返済総額は106,956円となるので、分割払いの105,600円よりも1,536円も余計に支払う事になります。
ちなみに、イオンカードには、もっと分かりやすいページがありました。
それが、コチラ
イオンカード公式サイトより転載
いずれのケースも、リボ払いの方が支払い総額が高くなります。
このように計算方法が違う事により返済総額に差が出るために、「リボ払いは損」という口コミが広がったのです。
リボ払いのメリットはないのか?
金利面だけ考えると、リボ払いは分割払いと比べて不利なのか?と思いがちですが、そんな事はありません。
リボ払いの最大のメリットは、「後から変更できる」という点です。
特に大きなメリットは、支払方法の変更です。
毎月の支払金額を多くすれば金利を抑えることができますし、まとまった収入があれば「繰り上げ返済」も可能です。
元本が減れば金利も低く抑えられますし、一括返済できれば、将来的に支払う予定だった金利をナシにすることだってできるのです。
この点が分割払いと違う大きなメリットです。
このカラクリさえ分かれば、リボ払いは決して損なサービスではありません。
自分のライフスタイルの変化に応じて返済方法も変更できる、柔軟なローンなのです。